オスカー・ココシュカ

ウィーンの芸術家として、クリムト、シーレなどと同じく有名なのが
このオスカー・ココシュカです。

直接シーレと関係があったのかは不明ですが、
シーレと同じく、クリムトに見出された人物のひとりでした。

しかし彼は「野蛮人」と呼ばれるほど、過激な表現を好む画家だったと言われています。

クリムトを中心としたグループによる展覧会「クンストシャウ」にて、
あまりにも過激な演劇をしたことにより、とうとうクリムトから見放され、そして
ウィーン美術界からも追放される形となります。

後々ドイツ表現主義に絶賛されるも、彼は病的なまでの過激さにより
自分の精神をも蝕んでいくこととなりました。


 1914年 「風の花嫁」

ココシュカの代表作といってもいい作品、「風の花嫁」。 
 (実はシーレは、この作品から「死と乙女」の構図のヒントを得たのではないかという説もあります)

この「風の花嫁」という作品は、ココシュカ自身とアルマという女性を描いたものです。

はじめこの作品は、もっと明るい色をしていたと言われています。
魅力的な女性、アルマと出会ったころに描きはじめた作品です。

しかしアルマはココシュカの知らないところで別の男たちと会っていました。
次第に不信を抱き始めるココシュカ。

そしてお互いの関係が悪化していくにつれ、この絵はどんどん暗く描かれていきました。


ついにアルマと別れ、ココシュカはこの「風の花嫁」完成後、第一次世界大戦に参戦します。

頭と胸に傷をおって帰ってきたココシュカ。
アルマはすでに別の男と結婚していました。

ココシュカは、いまだアルマのことが忘れられず、異常な行動を取り始めます。

アルマにそっくりな人形をつくらせ、外食をするときも映画を見るときも、
常に連れて歩きまわっていたらしいのです。代金も二人分払っていたのだとか・・・。




この作品「風の花嫁」は、何度も何度も厚塗りされています。
ココシュカ自身の心が変化していくたびに、色が塗られていったからです。

スイスのバーゼル美術館というところに所蔵されているらしいのですが、
門外不出の絵のようです。

あまりにも厚塗りな絵のため、門外不出どころか少しでも動かすと
剥がれ落ちてしまいそうな作品なのだとか・・・。


最後に。


   
クリムト 「接吻」      シーレ 「死と乙女」

ココシュカ 「風の花嫁」

並べて見たかった(^^
それぞれの画家自身にとって、特別な作品であることは間違いありません。


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