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■ シーレとゴッホ

ゴッホ(1853-1890)、シーレ(1890-1918)
これを見て、「ん?」と思われるでしょう。

なんとシーレは、ゴッホの没年に生まれていたのです。

そしてシーレは、ゴッホという偉大な画家の没した年に生まれていることを、
心底、誇りに思っていました。

「悲劇」や「狂気」といったイメージがピッタリなゴッホを自分に照らし合わせ
酔っていた部分があったのかもしれません。(笑


しかし画家としてのスタイルという意味では、シーレとゴッホは
非常に近いものがあるのではないでしょうか?

フェルメールやセザンヌのように、長い時間をかけて構図を練り、
何度も描きなおして作品を制作するタイプでもありません。

ゴッホとシーレ、お互いに筆が速いのも特徴です。


- ゴッホの部屋


シーレはこのゴッホの部屋を見ていた可能性は極めて高いとされています。
なぜなら、当時、この「ゴッホの部屋」を所蔵していた人物は、
シーレの絵のコレクターでもあったことが明らかにされているからです。。。

下の絵は、シーレが捕虜収容所で勤務していたときに描いたもの。


なんとなく似てますね。(笑



■ エゴン・シーレの「ひまわり」 25億円で落札。

ゴッホに敬意を表して描いたのではないか?

そう噂される「ひまわり」が、クリスティーズというロンドンの会社に競売にかけられ、
約25億円で落札されたというニュースがありました。 (2006年6月21日)


 エゴン・シーレが好きな僕も、
 正直、そのときまでこんな絵があったとは
 知りませんでした。

 まさかこんな「ひまわり」があったなんて・・・。

 ここでもやはりエゴン・シーレらしさが
 現れていますね。

 ゴッホのように、ギラギラと咲き乱れる
 ひまわりではありません。



「生命」といったことを表すために、使われることの多い花。ひまわり

エゴン・シーレの手にかかると、そんなひまわりでも、どこか退廃的、
物悲しげなひまわりに変わってしまいます。





 上の絵を見ると、同じくシーレの描いたコチラのひまわりを
 思い出さずにいられません。

 死んだひまわり。そして下に広がる無数の”朽ちた花”たちが不気味で印象的。

 生は死に、死はギラギラと輝いているという
 なんともいえない絵です。





クリスティーズに出品されたシーレの「ひまわり」には、下を向き、花びらの落ちた
ひまわりがいくつも見られ、「生きるとは何なのか?」という問いを投げかけているように思えます。

バックに描かれた太陽は、これから上がっていくのか?
それとも沈もうとしているのか・・・?

シーレは夕日が好きだった、もしくは夕日が沈むあの哀愁に満ちた雰囲気が好きだった
と言われていることから、夕日の可能性が高いともいえるでしょう。


こういった作品をみると、エゴン・シーレってどんな人物だったのだろうと改めて考えてしまします。
どんなに素晴らしい出会い、出来事があったとしても、すぐにその終末をイメージしてしまう..。

そんな人物だったのでしょうか・・・。



■ エゴン・シーレの「ひまわり」補足

 ゴッホに敬意を表して描いたのではないか?
 と書きましたが、おそらくそれは間違いない
 ことだと思います。

 そしてこの絵を描く際も、シーレはゴッホの描いた「ひまわり」
 を意識していたのではないでしょうか?

 単純な理由なのですが、このシーレが描いた「ひまわり」に
 は、ゴッホの描いた「ひまわり」と同じく花が14つあります。

 ゴッホの「ひまわり」。

 そのひまわりの本数は、アルルの黄色い家に
 呼ぶ予定だった、画家の数+ゴーギャンとゴッホ自身の弟を表しているらしいのです。
<参考>絵画道楽のすすめ ゴッホ「狂気の天才画家」

シーレにとってもこの「ひまわり」の数は、何か意味のあるものだったのでしょうか?

いろいろと妄想が膨らみます。
おもしろいですね(^^